国立人類学考古学歴史学博物館(あぁ、長い)の染織です。
染め。

綿のようです。
質感と染めの柔らかい線が、たまらなくいいです。。

ズラ。

・・・かどうかはわかりません。^^;
帽子部分は編み物になっていて、アップで撮ったのはピンボケでした。。
パラカス文化(700B.C-100A.D)の刺繍ですね。。
綿の布にウールで刺繍をしている。

鳥と、、feline(ネコ科)と書いてある。
チンチェーロの織人が、柄を説明してくれた時に、
ピューマ、ピューマの目などと言っていたのを思い出した。
天野博物館でも、
ネコ科デザインがとても多いことを説明してくれていました。
力と神聖な象徴だったようです。
ショルダーポンチョ

こどもたちのグループがたくさん来ていました。
男の子がひとり、どうしてもこちらを見ていました。。
先生の話を聞こう。^^

これはどうしても反射で撮れなかった。
ワリ文化。とてもおもしろいです。
図案が抽象化されたり、幾何学的になっていきます。
染め。


刺繍。

色のマスで現しています。

いい加減、織りが見たいのだけど、、
あるのかな?と心配になってきたところで!
登場です!
織り!


この木のような「手」のデザイン、
天野博物館では特別なものがありました。
大きな布にこの「手」があり、中央に6本指の手がありました。
博物館の方の説明によると、
そういう風に特別の形を持って生まれた人のことを、
特別な力があるとして、神聖視していたところがあるとのこと。。
・・・ジンと来るものがありました。

4つ角の帽子。この形はよく見るけれど、
技法はいろいろあるみたい。
この帽子の情報は何もないのですが、
本を見ると、このノッティングみたいな表情のものは、
ベロア風のテクニック、綿とウールと書いてある。
この帽子は編み物のようでした。
編み物の、糸が輪が輪になるところに
色糸を絡ませて図柄を作っていく感じ??

植物繊維を糸で織ったもの。鎧なのかな?
ただのモザイクのようで。。顔がたくさんある。
ピューマと鳥と蛇?


そして一番のお気に入りはこれでした!
が、しかし、全然撮れませんでした・・・。

いくらか見えるかな?
けっこう、微妙に色を変えてあって、それが何とも言えず。。


つづれ織りね〜、と見ていたのだけど、
フチを見て、ハタと気づいた。
色が変わるところのインターロックが、上下方向にある!
布の上下の方向は、幅からして、見たままかと思ったのだけど、、
写真の左右が上下方向になるのかな。。
そんな幅広で織ることある??
でも、博物館で買ったテキスタイルの本でも特別な技術の説明はないし、
通常の「経が緯によって完全に隠れる」つづれ織りの説明しかないし。。
どうやって織っていたんだろう、、

これは普通にこの上下でつづれ織りでした。


ちょっと向き変えちゃいました。。
この抽象的な柄の大きな布の横には、
緻密な小さな布が。。

しかも裏もある二重織。。ふっくらとした質感。
赤、黒、白、水色の4色で二重織ということかな?

こちらはわかりやすく二重織ですね。
小さな布に。。

よく見ると、不思議な図案。。

綿に、赤のウールかな?

ここには他に小さく緻密なつづれ織りの布もあったのだけど、
布が黒かったで反射でまったく撮れずでした。
ワリ文化終了です。
バーン!といきなり、わかりやすくインカ文化。。
王国誕生!という感じですね。

(なぜ、差した指先から写真を撮ったのか、、^^;;)





キープ。
これは結び目の位置や形、紐の色、長さなどが、何かの情報になっているようで、
これを読み解く、特別の役職、その学校もあったとか。

これだけで十分美しいです。。



まとめるとこんな感じ。

ここからは、年代などは特に表記がなかったり。。でした。
新しそうなものもあれば、古そうなものもあり、、




オウムの羽を織り込んだもの。
色が変わらず鮮やかなことに驚きました。
(天野博物館でも黄色いのを見ました。)




ケチュア語族がアンデス地帯を統一してクスコを首都にしたのがインカ文化。
でも100年ほどでスペインに征服されてしまいます。
スペイン色が入ると、緻密で繊細なのに、
つまらなさを感じる。。


スペインが入ってからの展示は肖像画が多くなり、
いきなり別世界に。。
建物も当時のもので家具なども置いてあるのだけど、
どこか全体がカビ臭く、陰湿な空気に耐えられず、
アンデスの伸びやかな世界に再び戻りました。
追記/
(昨夜は画像upだけになってしまったので。。^^;)
博物館の売店で本を購入したのだけど、
全体の図録ではなく、染織だけのを買いました。
博物館の染織をまとめたものだと思って買ったのだけど、、違いました。。
詳細にいろんなミュージアムの名前が。。
どうりで英語がついていたわけです。
(博物館のはスペイン語のみだった)
そしてチャンカイ文化の紹介はほとんど天野博物館からでした。
天野博物館では、ほとんどの素材が綿でした。
アンデスの布は獣毛というイメージがあったので、
意外だったんですけど、でもそうですよね、、
あの広範囲と高低差、気候が全く違う!
チャンカイ文化は海岸地方だったので、
リャマやアルパカはいなかったわけで。。
だから、細い綿糸を紡ぐチャンカイのスピンドル(糸を紡ぐコマのようなもの)は、
トンボ玉のような小さな錘しかついてなかったわけです。
クスコ周辺の高地は、やはり獣毛なので、
私たちがよくみるコマ型のスピンドルの形でした。
そして綿とウールの両方が使われている布が多かったことにもビックリ。
織り手としては、ウールは洗うと縮む素材で、綿は縮まないので、
その縮みさを活かす場合の他は、あまり合わせたくなかったりする。
でも、こういう博物館の布って、埋葬品からのものですもんね。。
ミイラ包んだ布、洗濯しないよね、、
(でも、使用した布も埋葬していそうだし。。)
それと、壺の中などからもたくさん見つかったようだけど、
盗掘された際に、地味な配色は価値無いものだと思われ、
捨てられちゃったものも多いのだとか、、
決まった宗教的モチーフがほとんどだけど、技法は多彩。。
自分の堅い頭をもみほぐしてもらったような感じでした。
繊細な技法でも大らかさを感じるんですよね。
あの6本の指もそうだけど、土器などでもたくさんある。
病気にかかってブツブツになっている人などもあって、
それがボトル(コップ)になっていたりする。
それに入れて飲むことで、その病を治す祈りのようなものだったとか。
そういう全てを受け入れてしまう、宗教観が、そう感じさせるのかな?
どこかユニークだしね。^^
そしてやっぱり、思ってしまう。
もしスペインが全てを奪わなかったら、
彼らはどう展開していったんだろう、ってね。
染織技法は途絶えてしまったものもあるけれど、
解明はされているみたい。
アンデスの染織の研究者は多いようですね。
技法書、気になります。。